雨の夕暮れ

 

雨の夕暮れ

紀城 有希

雨の夕暮れ

電車が過ぎて

ほんの少し

静かになった

その後を

だれもいない

青い暗い細い道を

青白い河童が通っていく

 

木の枝が伸びたその下

てくてくとひとり

遠い物語の中へ

帰っていく

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