大きなネズミが見えない

人通りの多い街中を、猫ほどの大きなネズミが横切っていてとても驚いたのに、誰も気づいてさえいなかったと、以前、知り合いの若い女性が不思議そうに言っていた。

昔、哲学科卒の同僚が言っていたソシュールの「人は名前がないとその物を認識できない」という言葉を思い出した。

私は原始的、感覚的でむしろ名前の方を必要としない人間なので、理解不能な言葉だったが、これもそういう一例なのだろうなと思った。

自分の知っている猫という認識で振り向きもしないのだろう。

多くの人は、誰かが決めた枠のどれかに当てはめるだけで、誰かが声を発しないかぎり、真実を見ようとはしないのだ。

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