どこにもいない私 投稿日: 2021年12月5日2022年1月19日 投稿者: kishiro.poem どこにもいない私 紀城 有希 小さな自分の粒でもいいから 見つけたいと思っても どこにもないことがある 誰の目にも 溢れているはずで 隠しようのない塊や存在が 自己主張をしているのに 目を閉じても 目を開けても 見つけられない 存在するには当面困らない むしろ穏やかな気さえする そのままここにいるには苦労も多い 疲れて消えた別の宇宙から 私をまだ生かすために 戻るのを ぬくもりの残った仮の宿に待つ