のどかな休日に 投稿日: 2021年12月5日2021年12月5日 投稿者: kishiro.poem のどかな休日に 紀城 有希 穏やかに晴れたのどかな田園を ほとんど客を乗せていない一台のバスが走る 車内では、2人のやんちゃな兄弟が 動き回ってはしゃぐものだから 華奢な母親が、椅子から立ち上がって細い手を伸べ 「危ないでしょう」と優しく諌めている けれど、動く子供を追って、そのきれいな長い髪が振り向いた顔は 目も、子供たちに開いた口も、ただ真っ黒い穴で 闇の宇宙が広がっていた